虫×組織:怠けものが必要!?組織の仕組みをアリから学ぶ

組織論

会社、企業、組織ってなんだろう?

そう感じたことはありませんか?時に実体がない、得体の知れないもののようにも思える会社や組織。今回は、そんな組織を虫の社会を参考にしながら理解してみましょう。 特に、会社勤めをしている方にとって、新たな視点が得られるかもしれません。

本記事の参考資料

今回の内容は、こちらを元に、私の理解を整理したものです。

働かないアリに意義がある (ヤマケイ文庫)
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本書では、虫の社会から人間社会を見つめ直し、組織の本質を考える興味深い議論が展開されています。

目次

  1. この書籍の概要
  2. 怠け者のアリが必要な理由
  3. 多様性がないと社会は崩壊する
  4. 利己と利他のバランス
  5. まとめ

1. この書籍の概要

虫の社会を題材にした本書では、以下の考察が特に印象的です。

  • 働かないアリがいることで、コロニー(社会)は長続きする
  • 個体の多様性がないとコロニーは崩壊する
  • 虫たちは、利己的な行動と利他的な行動のバランスをとりながら生きている

著者である進化生物学者・長谷川長谷川 英祐(はせがわ・えいすけ)氏による研究結果に基づく議論であるため、信頼性が高く、納得感があります。

2. 怠け者のアリが必要な理由

意外なことに、サボっているように見えるアリが、実はコロニーの存続に不可欠なのです。

その理由は、“余力”を確保することが必要だから。例えば、働きアリだけでは運べないほどの超巨大なエサを見つけたとき、遊撃隊として動員できるメンバーがいることで、コロニー全体の生存率が上がります。

重要なポイントは、「働きたくても働けない状況にあるアリ」である点。スポーツのベンチメンバーに近いイメージですね。

企業に置き換えれば、新規事業を始めたい時に現業のリソースが逼迫していると、計画が頓挫することがあります。 余力を確保することは、虫の社会でも、人間の社会でも、持続可能性の鍵となりそうです。。

3. 多様性がないと社会は崩壊する

アリの中にはクローンを生み出せる種がいますが、クローン個体は伝染病に弱いという課題を抱えています。

また、「新しい仕事」に反応する閾値(しきいち)が個体ごとに異なり、この違いが個性となっています。異なる個性を持つアリがいることで、仕事の分担がスムーズに進み、社会全体が円滑に回るのです。

この点は企業にも当てはまりそうです。たとえば、2020年の日経新聞の記事では、女性が活躍している企業は株価が堅調とされていました。これは限定的な視点ではありますが、多様性が組織の持続可能性に重要であることを裏付けているのではないでしょうか。

図はリンク先より引用

利己と利他のバランス

生物の本能として、「自分の血を濃く残す」という欲求があります。

実際、アリの社会にも「ひたすら子どもを生み続ける個体(チーター)」が存在します。しかし、チーターばかりのコロニーはやがて崩壊し、チーター自身も滅びてしまうのです。

会社でも、全員が利己的になり、仕事をしない社員ばかりになると、当然倒産してしまいますよね。

稲森和夫氏の「利他の心」という考え方が、社会全体の存続には必要不可欠なのかもしれません。

利他の心を判断基準にする | 思想 | 稲盛和夫について | 稲盛和夫 オフィシャルサイト

まとめ

会社、学校、家庭など、大小さまざまな組織に当てはめて考えることで、普段は見えない社会の仕組みが浮かび上がるかもしれません。

身近な組織を改めて見つめ直してみることで、新たな視点が生まれるかもしれませんね。

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